「人肉食」は、現在における最大のタブーであり、禁忌とされるものです。「人食い」「人肉食い」という言葉は、数ある悪口の中でも、ひときわ悪いイメージを持って通用しています。 現在、北朝鮮など、一部の飢餓状態にある国々を除いて、人肉食を恒常的に行っている場所はない、とされています。「されている」とあえて言葉を繋ぐのは、20世紀末になっても、なお人肉を喰って逮捕されたという人間が後を絶たないからです。ガールフレンドを殺害して食べたとされる佐川一政氏しかり、12年に53人もの少年少女を殺害して食べたアンドレイ・チカチーロしかり……。 ですが、歴史をひもとくと、その中には人肉食を行ったという記述はいくつも見ることができます。驚くべきことに、聖典であるはずの旧約聖書にも、「息子、娘たちを食い尽くしました」という記述を見ることができるのです(エレミア書第3章24項)。かつての「未開民族」だけでなく、日