2006年01月17日22:43 カテゴリMedia書評/画評/品評 国民の罠 地検特捜部に関して知りたいと思い、両著を読み直してみた。 国家の罠 佐藤 優 特捜検察 魚住 昭 その結果言えるのは、彼らもまた一公務員であり、「世論」の強い影響を免れない、ということだ。極論してしまえば、世論が検察を動かすのだ、とも言える。 そうならざるを得ない理由の一つは、検察が小所帯であること。例えば「特捜検察」によると、東京地検特捜部は総勢110名。うち検事は35名。全てを調査立件するにはあまりに少ない数字であることは確かだ。よって検事たちは何に手をつけるか、常に厳選する必要に迫られている。いきおい社会的影響が大きそうな事件が多く取り上げられることとなるだろう。 問題は、その社会的影響の大小を何を持って推し量るか、だ。 そこに世論が登場する。「特捜検察」が取り上げている各事件を見ると、当初は特捜部が動く