人間の脳が最もエネルギーを消費しているのは、じつは眠っているときらしい。それも、夢を見ているときではなく、いわゆる夢を見ないノンレム睡眠の時である。レム睡眠とノンレム睡眠は1時間半程度の周期でくり返すが、われわれが多少とも覚えているのは夢を見ているレム睡眠の間にすぎない。これはまことに不思議なことだ。脳が一番活発に活動しているのは、自我も意識も無い時らしいのだ。 眠っている間に脳が何をしているのか、まだほとんど分かっていない。一説によると、覚醒時に習得した情報の中からパターン抽出をして(つまり情報圧縮)、海馬経由で長期記憶に保存するのだという。休憩中の脳はガーベジ・コレクションをしているのさ、というのがシステム・エンジニアうけする説明だが、脳のなかのメモリ空間がリニアアドレスであるはずもなし、たとえ話以上のものではあるまい。 ところで、ここから連想ゲームみたいに話が飛ぶのだが、休んでいる間