【戸津井康之の銀幕裏の声】映画『永遠の0』の特攻パイロットは実在した(上) 「まるで本物の空中戦の最中にいるようでした」。発行部数300万部を超える百田直樹さんのベストセラー小説を映画化した『永遠の0(ゼロ)』(山崎貴監督)が全国で封切られた。主人公のゼロ戦パイロット、宮部久蔵の壮絶な生き様を描く戦争ドラマ。冒頭の言葉は、元ゼロ戦操縦士、笠井智一さん(87)=兵庫県伊丹市在住=の映画を見た感想だ。さらに笠井さんはこう証言した。「宮部のような伝説のパイロットは確かにいた…」と。 ■圧巻の操縦シーン 《宮部久蔵(岡田准一)は高い操縦技術を持ち、歴戦のパイロットたちからも一目置かれる存在だった。一方で、あまりにも「生きて帰ること」に執着していたため、臆病者だというレッテルを貼られていた…》 「小説を読んだ当初、私は宮部のようなゼロ戦パイロットはいないと思っていました。当時のゼロ戦パイロットは生死