「幼い頃から母親の精神的暴力を受けています」-。福岡県に住む19歳のヒカル(仮名・敬称略)から、西日本新聞「あなたの特命取材班」にLINE(ライン)でSOSのメッセージが届いた。 一刻も早く今の状況から逃げ出し、新生活を始めたい。だが、さまざまな「壁」が行く手を遮る、と。記者の私(28)は返信した。「とてもつらい思いをしているんだね」―。 ヒカルは発達障害の診断を受けているという。注意欠陥多動性障害(ADHD)と双極性障害(そううつ病)。そのため、複数のことを平行してやることや計算などが苦手だ。 母親には日常的に暴言を吐かれる。「能力的にダメだ」「頭が悪い」「おまえには無理だ」。毎日のように、行動の一つ一つを否定される。「そのたびに気持ちがビリビリに破かれる」。薬の副作用で食欲不振や吐き気に苦しむが、拒否しても食事を強要される。 家を出たい。だが、専門学校をやめ、アルバイトもしていなかった