母のあとを追うようにみずから命を絶った男性。年老いた父の死後に、逮捕された男性。誰にもみとられることなく衰弱死した母と娘。共通していたのは、社会から孤立し、ひきこもりの状態になっていたこと。なぜ、その死は見過ごされたのか、深層を追った。 (ネットワーク報道部記者 高橋大地・管野彰彦・社会番組部ディレクター 宮川俊武) ことし1月、奈良県内のアパートの1室で、93歳の男性が亡くなった。男性には一緒に暮らす、61歳の長男がいた。しかし男性の死は誰にも知られることはなかった。1か月後、長男は父親の遺体を放置したとして、警察に逮捕された。長男は長年ひきこもりの状態だった。