「このシンポジウムを企画したのは、ある『AI研究者』の差別発言がきっかけだった」。Preferred Networks(PFN)の丸山宏フェローはシンポジウム冒頭でこのように語った。 日本の人工知能(AI)関連の研究会3団体は2020年1月9日、「機械学習と公平性に関するシンポジウム」を開催した。AI技術やAI倫理の専門家が登壇し、AIの活用が人の差別につながるリスクと回避策について議論を交わした。聴衆の過半は企業からの参加者だった。 主催したのは人工知能学会 倫理委員会、日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会、電子情報通信学会の「情報論的学習理論と機械学習研究会」である。 開催のきっかけになったのは、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の特任准教授を務めていたAI研究者の大沢昇平氏が19年11月に投稿したツイートである。 同氏が経営するAIスタートアップの人材採用方針について「中国人