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2019年6月29日のブックマーク (2件)

  • 小川洋子「人質の朗読会」あらゆる人の胸中に息づく物語たち - 或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

    小川洋子の透明感のある作品世界には、ある種の中毒性があるかも知れない。現実的ではあるのに、どこか幻想的な香りと何か憂で気怠い趣きが漂い、だからこそ妙にリアリティに包まれたりする・・・・不思議な作風に私は強く惹かれる。 〜声はいのち、言葉は人生、それこそ彼らが遺したもの〜 「人質の朗読会」は、そんな彼女の稀有なる作品世界を堪能できる素晴らしい小説だ。「妊娠カレンダー」や「博士の愛した数式」で知られる作家、小川洋子の作品の多くは、設定の絶妙さが秀逸だと思う。 すべてではないが、設定自体でもう半分は成功しているようなものだと言えば言い過ぎだろうか。 もちろん、奇抜でもなければ非現実的でもなく、彼女が紡ぎだ出したい物語の背景として、もっとも相応しいように肌理細かく設定されているのだと感じる。 そして何より、彼女の小説で味わうべきは設定の妙にあらず、あくまでも物語を通して描かれる人間の強い儚さ・・

  • 「傷つくよりも、腹を立てたほうがいい」平野啓一郎に聞くネット時代のコミュニケーション

    もはや私たちの生活と切っても切り離せないほどに発達したインターネット。コミュニケーションツールとしても、その存在は日に日に大きくなっています。 このネット時代において、私たちはどのようにコミュニケーションを取っていくべきでしょうか。最近、自身も実践しているという「スロー・リーディング」について、具体的な方法を書いた著書『の読み方』(PHP文庫)を発売した、言葉のプロフェッショナルである小説家・平野啓一郎さんに伺いました。 ネットには無関係でいられないと思った 平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)。小説家。大学在学中に『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。以降、精力的に作品の発表を続けてきた。この秋、『マチネの終わりに』が映画化される。 ──平野さんは、Twitterなどでも積極的に発信していますが、ネットにはどういうスタンスで関わっているのですか? 平野啓一郎さん(以下、平野):基的に、

    「傷つくよりも、腹を立てたほうがいい」平野啓一郎に聞くネット時代のコミュニケーション