自然災害の被害は、「自然」ではない。 災害が人々に与える影響は「無差別」ではなく、ジェンダーや年齢などによって大きく変わる。災害によってその場所に元から存在する格差や構造が、表面化するからだ。 【全画像をみる】女性が死者の8割を占めたケースも。災害の死者に女性が多い背景とは 女性が災害で被害を受けやすいことは、世界各地の事例や研究で明らかになっている。その原因として指摘されているのが、女性としての「性別」による結果ではなく、社会的、経済的、そして政治的に醸成された「ジェンダー」の構造や格差だ。 「ジェンダー」の構造や格差というのは、災害において、具体的にどういう影響があるのか。 2004年に死者・行方不明者30万以上を出したスマトラ沖大地震・インド洋津波の例をみれば、一目瞭然だ。 甚大な被害を受けたインドネシアのアチェで実施した調査では、女性の死者数が男性の3倍にものぼることが分かった。死