三菱東京UFJ銀行の行員らに、銀行と関係のない投資会社との取引を勧められ「資産約3億8千万円を失った」として、東京都内の79歳の女性が27日、同行と行員を相手に同額の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。代理人を務める桃谷一秀弁護士はこの日、「銀行の管理体制に問題がある」として同行への改善指導を金融庁に申し立てたことも明らかにした。 訴えによると、女性は5年前に夫を亡くし、相続した遺産を2011年1月から同行で投資、運用し始めた。約1年後に8千万円の損失が出たところ、担当の男性行員から同行の別の男性行員と外部の男性コンサルタントを紹介された。 3人は12年1月に女性に対し、同行とは関係のない大阪市の投資会社との取引を勧誘。女性は同年4月までに計3億8千万円を投資会社に送金したが、同年中に経営破綻(はたん)。資金はほとんど戻らなかったという。