最初に言っておけば、私はそもそも演劇、特に産業として自立しているとは言えない小劇場系の演劇を表現芸術としてはさほど評価していないし、興味も無い。舞台演劇の定義を言えば、 ①劇場もしくはそれに準じる興行空間において、演じられる。 ②観客は着席する、もしくは自由には移動できない範囲内で立哨する。 ③固定された前面空間を観客は鑑賞する。 と言うようなものになるだろう。よく言えば原初的な芸術であり、悪く言えば原始的な芸術である。 演劇人が、演劇の性質として、ライヴ性の必要性を上げていたが、別に撮影したものを映画として上映すればいいので、技術的にはそれは不可欠な要素ではない。 ただし、もしそうするならば、普通は映画の技法(ズームアップや音楽の適時挿入、字幕の挿入)などを採り入れるだろう。そうなった場合、それはもはや映画である。 つまり舞台演劇と言うものは、その原始的な表現方法によって「出来ない」と言