ブックマーク / kokounobonjin.hatenablog.com (6)

  • 僕を迎えに - 孤高の凡人

    2016 - 10 - 07 僕を迎えに 建築現場の足場、その最上段から眺める景色に無感情。なんも思わん。 画面の端が砕けたiPhone、直す気もおきん、つまり金がない。 見にくいディスプレイ、醜い奴からの電話、殺気を殺して満面の笑み。 うちに帰ると散乱した絵、机に置かれた飲みかけの麦茶、換気扇の音とあったかいご飯。 今日も私は幸せのお風呂に浸かる。生ぬるいお湯に肩まで浸かる。 喉から手が出て手に入れた安定、それは手の平の上で退屈に変わり、愚痴と一緒にこぼれて落ちた。 些細な日常に幸せを感じる。嫌いだった言葉を真顔で言える私は誰だ。 顔だけで歩く。手足はいらん。必要なのは社交辞令が言える口、請求書を読める目、興味のない話を聞ける耳。それら全部で作る笑顔。 鏡に写ったお前はなんや。鼻毛をはさみで切りながらい思う。 鏡の向こう側には、捨てたはずのカルトン、大量の鉛筆、画用紙、ケント紙、木炭紙

    僕を迎えに - 孤高の凡人
  • 狂とてちん - 孤高の凡人

    2016 - 08 - 09 狂とてちん 沢山の人が死に、その屍の上でワルツを踊る人々の、踏み鳴らす骨を砕く音がめっさジャジーに突き抜ける。さっきまで隣で笑い合っていた友の背中を、錆びきった刀で斬りつけて目指すは、骨山のてっぺん。いつの間にか着こなしていた甲冑の、甲冑らしく軋む音はもう聴こえん、そらつんぼの耳にはなんも届かん。 僕らは今日もスクリーンに映った自分をなんかようわからんもんと勘違いして、怨念をキュートに撒き散らす。思い知らす。 狂とてちん。狂とてちん。金に。名誉に。僕らはみんな狂とてちん。 瞑想にヨガにバドミントン。みんな同じでみんないい。リアルの刺激じゃものたんないけどネットで指摘もやめてほしい、口語の文章褒めてほしい、Amazon貼るから送ってな。それ記事これ記事あれも記事。些細なことでも全部記事。ほんとうのことがいいたいけれど、ほんとうのことがわからんへん。感謝感謝とりあ

    狂とてちん - 孤高の凡人
  • はてななブログ - 孤高の凡人

    2016 - 07 - 07 はてななブログ 最高の感動。それは事件であった。しかし感動を奪われた最高はもはや最高ではなく、サイコとなりて、機械的な眼鏡ごしに森羅万象を憎んだ。 その様に驚愕している人々の隙間を縫って、山羊の体を散弾銃の弾が貫いた。その流れ弾が雨のように海星の脇腹をブローし、海星は倒れた。 幸い海星は軽い怪我で済み、健康で健やかな毎日を過ごされているが、まだ空中を彷徨っていたその弾が青白く輝きながら、低学歴の龍へと姿を変え、主に顔が気に入らないという理由で自称プロブロガーを貫いた。 ハジけたフリーランス生活をおくられていた自称プロブロガーは文字通り弾け飛び、その人肉、人骨が散乱した。 その後、数多くの人々がその人骨を拾い上げ、フリスクのようにそれを喰らい、スカッとした。 そのスカッした人々が、自身の知人、友人にそのフリスクを分け与える様を遠方から見ていた人がいた。 無能が故

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  • 鉄棒の味 - 孤高の凡人

    2016 - 06 - 21 鉄棒の味 私は中学生の頃、鉄棒が得意であった。 その3年間を鉄棒の上で過ごしたと言っても過言ではない。 鉄棒といっても体操部が使用するような、あのくるくる回転するええ感じの鉄棒。トカチェフ、カッシーナ、リューキンなどの技をバシィと決めて着地するような鉄棒。そのような鉄棒ではなく、ただの鉄棒。公園などにあるようなただの鉄棒である。 その鉄棒をこよなく愛した私の技術は極限まで高められ、まえまわり、さかあがり、けあげ、プロペラ、グライダー、地獄周り、どんな難しい技でも可能であった。 ある時は、反動をつけて前へジャンプし、その距離を競い合ったり、またある時は鉄棒の上に何時間おれるかという競技を友達と行い、授業が終わってから学校が閉まるまで、3時間強ずっと鉄棒の上に過ごしたりもした。 校舎の上に登る夕日は私たちを真っ赤に染めた。 その赤よりも濃い赤が、私の手の平の潰れた

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  • 『桃太郎』 語り (2歳 猫) - 孤高の凡人

    2016 - 05 - 29 『桃太郎』 語り (2歳 ) にゃんにゃん。 にゃーあ、にゃあにゃあにゃんにゃん。 にゃんにゃん、にゃあにゃあ。 にゃにゃあにゃあふー、にゃん。 にゃんにゃん。 にぁにゃあにゃん。 にゃあにゃあにゃーあ、にゃーあ。 にゃあにゃあにゃんにゃん。 にゃん、にゃーあ、にゃん。 にゃあーん!ふーごろごろ、にゃん。 にゃんにゃにゃあにゃあ。 ふー、にゃん、にゃんにゃあーん! にゃんにゃにゃあにゃあ。 にゃあーん! にゃあーん! にゃあにゃあ。 にゃんにゃ、にゃあにゃあにゃんにゃん。 にゃん、にゃにゃにぁあ。 ふー、ふー、ごろごろしゃあーっ! ごろごろ、にゃーっ!しゃあーっ! にゃにゃにぁあ。 にゃんにゃにゃあにゃあ。 にゃん。 にゃぁーお、にゃぁーお。 にゃあにゃあ、きびだんご。 にゃんにゃん。 にゃーっ! にゃーお、にゃーお! ふーごろごろ。 にゃんにゃん。にゃんに

    『桃太郎』 語り (2歳 猫) - 孤高の凡人
  • 雑踏 - 孤高の凡人

    写真提供 https://www.facebook.com/kizashi.ikeda 私は建設業で働いている。 それもこの世で最も浮かばれない施工管理というポジション。 しかし私はそれを受け入れている。 幼い頃、花火で植物やダンゴムシを燃やしたり、人の家のポストに給で残したパンを投函したりと、多くの業を積み上げてしまった。 故にこのような下の下、ゲノゲの鬼太郎に成り下がってしまった。 矢沢永吉のを読んでもちっとも成り上がれなかった。 現在は鍋敷きとしてご活躍されている。 しかし建設業は悪いことばかりではない。 今日みたいな、通常の国民がお休みの日に市街地などで仕事をしていると、たくさんの人が前を通る。 管理という立場上、第三者に対して災害が起こらぬように配慮が必要なので、通行する人を誘導したり常に気を配っていなければならない。 常に気を配るということは、常に人を見ているということに

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