日銀が「イールドカーブ・コントロール」(長短金利操作)と呼ばれる新しい手法を導入してから1年が経過した。現状はインフレどころかデフレの懸念さえ出ている状況だが、日銀は物価目標を諦めたわけではない。こうした日銀のスタンスに対して、一部からはオオカミ少年と揶揄する声も上がっているが、インフレの兆候はあちこちに見いだすことができる。日銀が主張するように、インフレは着実に近づいているのかもしれない。 日銀の意向とは反対に社会はデフレ一色 日銀は2013年4月の金融政策決定会合において、量的緩和策の導入を決定。年間80兆円の国債を購入することによって、市場にインフレ期待の醸成を促した。 量的緩和策がスタートした時点では、消費者物価指数(「生鮮食品を除く総合(コア指数)」)は前年同月比マイナスだったが、すぐにプラスに転じ、消費税が8%に増税された2014年5月にはプラス1.4%(消費税の影響除く)まで