カルチャーラジオ 歴史再発見今回のテーマは、「理性と利己心 ― カントの歴史哲学２」。カントが展開してきた歴史哲学の中心には、戦争があったからこそ、国家の法的な状態が作り出されてきたという、逆説のダイナミズムへの注目があります。「人間の不和を通じて融和を作り出そうとする」自然の働きがあると述べているのです。利己心に基づいた自国の利益追求が、結果的に戦争を抑止し、平和を強固にするという、自然のメカニズムについてお話しします。 第１０回は「永遠平和を保証するもの―カントの歴史哲学１」です。歴史を動かしてきたのは、人間の自由への渇望からなのか、技術の発展からなのか、また別の原理なのか。カントは永遠平和へのビジョンが決して理論だけのものではないことを裏付けるため、著書『永遠平和のために』の中で、歴史哲学を展開しています。「自然」こそが永遠平和を保証するというカントの歴史哲学について、津田塾大学教授の萱野稔人さんが解説します。
http://www.nhk.or.jp/r2bunka/ch05/
