前回書いたように,『日経ものづくり』の3月号の特集「できる中小企業 苦悩力が生むR&D」の取材チームに参加した筆者は,研究開発に熱心な中小企業の社長さんや識者の方々をインタビューさせていただいた。その識者の一人としてお話を伺ったのが,コンサルティング会社であるシステム・インテグレーション社長の多喜義彦氏である。日経ものづくりの読者の方なら「開発の鉄人」としておなじみの,中小企業の新製品開発や特許戦略の指導に定評のあるコンサルタントである。 筆者にとって多喜氏とこうして面と向かってお話しするのは,ほぼ10年ぶりだが,風貌も,雰囲気も,そして言っていることも,基本は変わらないと思った。ただ,10年前には気がつかなかったもののなんとなく感じていたことが,今回明確になったようだった。それは,「肩の力を抜いて自由度を高めて仕事しましょう」,という考え方または人生観である。 10年前の独演会 多喜氏の
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