プログラミングでは,時として「なーんにもない」ことを表す記号に遭遇する。おそらく,多くの人は特に気にとめることなく,それらを扱っているだろう。 ご存じの通り,コンピュータはどんなプログラムであれ,最終的に0と1の二つの値しか持たない2進数で処理を進めている。だったら「なーんにもない」状態は,一律に0としてもよさそうだ。なのに,CにはNULLやら\0,さらに空っぽの文字列""など異なる表記が存在する。 そんなわけで,今回は「なーんにもない」状態について調査した。 数値0は量がない値。文字'0'とは違う Cの代表的な「なーんにもない」と言えば,「数値の0」「NULL」「\0」だ。それぞれ,どのように違うのだろう? まずは数値の0である。これは,ご存じのように「量がないことを表す値」だ。数はそもそも,“存在する”量を表すために用いられてきた。その数に,“存在しない”すなわち量がないことを表す機能