「エクソシスト」という映画を知っているだろうか。少女に取りついた悪魔とキリスト教の神父の壮絶な戦いを描いた作品で、現在でもホラー映画の傑作と呼ばれている。特に恐ろしいのは主役の少女が悪魔に取りつかれ、不可能なポーズで奇声をあげる場面だった。あの映画の影響で、私は未だにホラー映画が苦手だ。 東条健一は子供のころ、守銭奴の父に苦労させられたが、大学卒業後はマスメディアでの金融情報の営業や大手報道機関の社会部記者を経てPRやブランディングの専門家となり、ビシネスの成功者となった。キャビン・アテンダントの妻との間に娘を授かり、子育てにも一所懸命。将来は順風満帆だと信じていたのだ。 しかし、その娘「リカ」に異変が見えたのは2歳を過ぎたころからだ。生まれて1歳過ぎまでは大人しくて手のかからない子と褒められていた。しかしいつになっても言葉を話さない。口から発せられるのはキィーーーーーと超音波のような奇声
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