日本経済の将来についての悲観的な見方を掘り下げていくと、その根幹に「情報・通信、エレクトロニクス産業の競争力の衰退」がある事が分かる。特に、日本のエレクトロニクス産業を代表するパナソニック、ソニー、シャープの御三家が軒並みに大赤字を出しているのを尻目に、サムスンが快進撃をしている現実を見せ付けられると、多くの人達が暗澹たる気持になってしまうのも仕方ないだろう。 「自動車」や「機械」、「素材」や「一部の電子部品」の分野での競争力は、そんなに衰えているわけではない。また、エレクトロニクス産業の主要なプレーヤーでもある東芝、日立、三菱は、カバーする範囲が広いので、現状でもそれほど悲惨な状態にはなっていないし、場合によれば「国際競争についていけない分野からは撤退してしまえばよい」という選択肢もある。 従って、当面は、「前述の御三家が、全世界の消費者向けエレクトロニクス製品で、サムスンと並ぶ地位を確