高齢期には4つの「ムエン」があると言われている。一つ目は、人間関係の貧困を意味する「無縁」。二つ目は、社会的孤立を意味する「無援」。三つ目は、経済的貧困を意味する「無円」。そして四つ目は、性的貧困を意味する「無艶」だ。 現役時代にどれだけ性的に満ち足りた暮らしを送っていた人でも、超高齢社会においては遅かれ早かれ、この「無艶」に直面する時が必ずやって来る。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2024年には人口の30%が65歳以上の高齢者になるとされている。全ての人が高齢期の「無艶」に直面せざるをえない時代の中で、私たちは「生殖なき後の性」をいかに生きればいいのだろうか。