成人男性と若者が一緒に埋葬された約1万2000年前の墓。花が捧げられた形跡がある。 Photograph courtesy E. Gerstein 墓地を花で飾る献花は世界中で広く行われている。この慣習の存在を決定づける最古の証拠として、古代の墓地の土から花や茎の痕跡が発見された。 その現場はイスラエル北部カルメル山の洞窟にある、約1万2000年前の墓地。ミントやセージといった香りのある草花が土に還った後、その痕跡が柔らかい泥に刻まれていたのだ。 花で飾られた墓は4基並び、そのうち1つには2遺体が埋葬されていた。2人の故人は、成人男性と性別不明の若者と判明。1万5000~1万1600年前の中石器時代、現在のイスラエル、ヨルダン、レバノン、シリアで栄えたナトゥーフ文化の時代に生きた人々だった。 今回の研究を率いたイスラエル、ハイファ大学の考古学者ダニエル・ナデル(Daniel Nadel)氏