次第に暗くなる中で、ボートから捜索を続ける消防や警察関係者ら=静岡県浜松市天竜区で2011年8月17日午後6時57分、手塚耕一郎撮影 川下りのスリルを味わう歓声が、一瞬のうちに悲鳴に変わった。1人が死亡、3人が行方不明となった浜松市の天竜川で起きた船の転覆事故。現場では無事だった乗客や近所の住民が、不明者の捜索を続ける警察や消防隊の活動を不安そうに見守った。【仲田力行、高橋龍介、西嶋正信】 「やばいやばい」 転覆した船の後ろに続き、川下りをしていた船に乗っていた静岡市清水区の会社員、望月祐介さん(21)は、そんな船頭の叫び声で転覆に気づいた。 川下に頭を向けてうつぶせの状態で流れてきた女性を見つけ、救助のため川に飛び込んだ。小さいころ水泳をしていて、泳ぎには自信があった。女性を抱え、そこから約10メートル泳いで岸に女性を引き上げた。転覆した船とみられる板や救命胴衣につかまって流れている人も