?栃木県宇都宮市と聞いて誰もが思い浮かべるのが「餃子の街」。しかし昨年、ついに世帯当たり購入額で静岡県浜松市に日本一の座を明け渡した。危機感を募らせた宇都宮市が繰り広げる餃子キャンペーンが凄まじい。面白うてどこか哀しい餃子狂想曲を、食に詳しい編集・ライターの松浦達也が紹介する。 * * * 「餃子バトル」が思いもよらぬ展開を見せている。ことの経緯はこうだ。2012年1月31日に発表された総務省の家計調査で「2011年の餃子の世帯あたり購入額日本一」で浜松市がトップの座を奪取し、「ギョーザの町」宇都宮は2位に陥落した。このことがよほどショックだったのか、翌2月1日の地元紙「下野新聞」では1面と4面の2面を割いて、「15年間守り続けてきた「日本一」の座から陥落」などと報じ、地元にとっての衝撃の大きさを伺わせた。 3月の調査でも浜松、京都、熊本に次ぐ4位となり、さらに危機感は高まった。4月