前回までで、「判断中止」「還元」「関心相関性」といったキーワードは大体 分かってきた。今回は「記号論的還元」てのが中心。 ソシュール言語学 ソシュールとか聞いても「何それ、食えんの?」的な僕だが、なかなかおもしろい 人の様だ。学者ってのは分野に限らず言語を使っているんだから、これくらいのことは 考えているだろうと思うのだが、世の中そうでもないようだ。 まず、2 つだけ用語を覚える。「シニフィエ」と「シニフィアン」。シニフィエは「同一性」と いう意味で、言葉が指し示す内容みたいなもの。シニフィアンは「発音・表記」という意味で シニフィエを具体的に言い表す言葉そのもの。「犬」と「dog」ってのはシニフィエは 同じものだけどシニフィアンは異なる。 さて、ソシュールの思想は以下の 3 点がエッセンスの様だ。本に合わせて、以下で コトバというのは言葉の指す内容、すなわちシニフィエのこととする。 差異