長野県内の2つの特別支援学校に常勤講師として勤務した後、ぼくは愛知県の公立小学校教諭として勤務しました。はじめての小学校勤務でした。公立小学校1年目。ぼくは前年度までの特別支援学校での勤務経験から、「どこまでもその子に寄り添い、その子に応じること」に大きなやりがいを感じていました。それを貫けば、きっと小学校でも大丈夫。そう信じていたのですが…。 算数の授業のこと。ぼくは、先輩の教員や指導員の方に 「まずは基本が大事だ。」 と何度も教えられ、その助言に従って、極々一般的な授業をしていました。先生が黒板の前に立ち、問題文を全員で一斉に音読し、子どもが挙手し、説明し、練習問題を解く…。しかし、この授業を何度やっても、毎回決まって何もできないで終わる子が何人もいたのでした。 「きっとこうなるのは、ぼくの技術がないから、準備が足りないから。とにかく、もっともっと頑張らなきゃ。」 そう思って、一層準備