組み込み機器でも、ソフトウエアによる仮想化技術を利用する機会が増えてきた。仮想化技術を使うと、オープンソースのOSやアプリケーション・ソフトウエアを1つの機器に追加して動かせる。ハードウエアにアクセスするための仮想化インターフェースを利用して、複数のOSが互いに独立して動作する環境が得られたことで、組み込みソフトウエア開発に新たな可能性が開けてきた。例えば利用制限のある商用OSやアプリケーション・ソフトウエアを、オープンソース・ソフトウエアと組み合わせやすくなる。 具体的な応用例を考察する前に、組み込み機器で仮想化技術がどのように機能するのかを理解する必要がある。「仮想化」という用語は多用され過ぎているきらいがあり、組み込み機器開発者に最も関係があるのはどの仮想化技術なのかを理解しておく必要がある。 仮想化を提供するのは何か ハードウエアによる仮想化技術とソフトウエアによる仮想