さて、ユーロ圏脱退に関する法的な交渉にも増して泥沼化すると予想されるのが、債権国とギリシャの間の債務をめぐる交渉だ。 これまで欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)はギリシャを救うために、天文学的な額を同国に貸してきた。2010年5月と2012年3月の2回にわたった準備した救済パッケージの資金枠は2709億ユーロ(37兆9260億円)に達する。このうち2157億ユーロ(30兆1980億円)がすでに融資として支払われている。 債権交渉の泥沼 債権国は2157億ユーロのうちどれだけを回収できるかについて、ギリシャ政府と交渉することになる。過去の国家破綻の例を見ると、債権国はすでに貸した金の大半を失うことになりそうだ。 たとえば2001年にアルゼンチンが債務不履行(デフォルト)に陥った。この時は、2005年と2012年に債務の一部減免が行われた。しかし債務返還をめぐる訴