「最大の人道危機」と評されるようになって久しいイエメンの状況だが、現場での支援活動やそこに支援を届けようとする動きが思うに任せないのも常態化している。アラビア半島の産油国は、イエメン向けに巨額の支援を拠出したと主張しているが、そもそもこれらの諸国はイエメン紛争の当事国である。となると、各国が提供する支援や、各国の下で活動する援助団体のようなものも、特定の紛争当事者に肩入れする性質が強く、イエメン人民全体に支援を行きわたらせたり、イエメンを国家として(或いは何かの共同体として)維持・再建したりする支援とは言えないかもしれない。 中国発の新型コロナウイルスが蔓延した2020年の状況は深刻で、国連の機関は必要額として算出した38億5000万ドルのうち、19億ドルしか調達できなかった。こうして、国連機関などが実施していた給付金の支給やその他イエメン人民が現金を得るための支援事業も停止を余儀なくされ
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