景気回復の期待を担って誕生した安倍政権がどのように日本経済を運営していくかを占ってみたい。まず、前回の安倍政権(2006~07年)の経済パフォーマンスを振り返る。 ここ10年間で日経平均株価の最高値は2007年7月9日の1万8261円98銭だ。名目GDP(国内総生産)も同年第2四半期の514・5兆円がピーク。失業率も同年6月の3・6%が一番低い。名目GDPが高く失業率が低ければ経済運営は合格点だ。 プライマリー・バランス(基礎的財政収支)の赤字も6兆円と一番少なかった。こうした良好な経済パフォーマンスは小泉政権後期の金融緩和策があったからだ。為替は1ドル=110円台で推移した。 おそらく市場も同じことを期待している。しかも7月には参院選がある。安倍政権はそれに勝つためにも、景気回復の手を緩めることができないはずだ。特に安倍晋三首相には参院選に特別な思いがある。6年前の安倍政権下の参院