山形県内初のミサイル想定訓練が酒田市であった。防火水槽の陰や軒下に身を隠す住民たち (c)朝日新聞社 この記事の写真をすべて見る 挑発が繰り返される米朝危機だが、このチキンゲームは冷静に見たほうがいい。日本政府が喧伝する「万全の態勢」もちょっとおかしい。 8月21日から31日にかけ行われている米韓合同演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」に対抗して、北朝鮮がグアム島に弾道ミサイルを発射し、米国が北朝鮮に報復攻撃を加えて戦争になるような話が日本のメディアに多い。だがその公算は低い。 第一にこの演習は3月、4月に行われた「フォール・イーグル」のように31万人の大兵力や、多数の艦艇、航空機を動員した「実兵演習」ではない。もっぱらコンピューター上の指揮、通信演習にすぎない。 ●グアム領海外を狙う 実兵演習だと、それを装って兵力を集中し、突然攻撃することもありうるから、北朝鮮が脅威を感じるの