TCPでは,送信すべきユーザー・データが大きすぎて1つのパケットで伝送できない場合,そのデータを分割して複数のTCPパケットにする。これがTCPセグメント化である。TCPユーザー・データの分割単位は,最大セグメント長(MSS)と呼ばれ,データ・リンクによって異なる。理由は,MSSの大きさがデータ・リンクごとの最大転送単位(MTU)に依存しているからである(図7)。 TCPセグメント化の例として,イーサネット上で送信すべきTCPユーザー・データが3000バイトの場合を示す(図8)。分割後のパケットのユーザー・データはMSSの値以下でなければならない。 イーサネットのMTUは1500バイトなので,IPヘッダーとTCPヘッダーの分を除くと,TCPユーザー・データが格納できるのは1パケット当たり最大1460バイトとなる。TCPセグメント化では,TCPユーザー・データの分割と併せて,IPヘッダー,T