イランでいま、日本のテレビアニメ『アルスラーン戦記』が若者たちのあいだでひそかな人気となっている。田中芳樹氏原作のファンタジー小説をもとにした作品で、舞台は古代イランを想定したパルス王国。敗軍の将となり、国を負われた14才の無力な王太子アルスラーンが、仲間とともに数々の死地を乗り越え、敵国ルシタニアによって陥落した王都エクバターナの奪還を目指す壮大な物語だ。土地、人名、その他の多くの用語にイランの言葉であるペルシャ語が盛り込まれ、いにしえの英雄叙事詩を彷彿とさせる。(大村一朗) 日本のアニメは、たちまちのうちに各国の言語に翻訳され、動画サイトにアップロードされることが知られているが、イランのアニメ動画サイトにもペルシャ語字幕がつけられた作品がいくつも並ぶ。翻訳はアニメファンの「有志」たちによるものだが、そこに著作権という言葉はないようだ。 イランで人気のアニメサイトを覗いてみると、『アル