ポイント 卵子に多量にある異型ヒストンTH2AとTH2BがiPS細胞作製を促進 異型ヒストンを用いたiPS細胞作製は、核移植に似たメカニズムを介する 異型ヒストンは受精後の父方遺伝子の活性化に関与 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、アミノ酸配列が通常のヒストンと異なる「異型ヒストン[1]」をiPS細胞(人工多能性幹細胞)[2]の作製に用いると、核移植[3]に似たメカニズムを介して、iPS細胞の作製効率が約20倍上昇することを明らかにしました。これは、理研石井分子遺伝学研究室の品川敏恵専任研究員と石井俊輔上席研究員、および理研バイオリソースセンター、理研放射光科学総合研究センター、東京大学、九州大学、筑波大学による共同研究グループの成果です。 京都大学の山中伸弥教授らにより、ES細胞(胚性幹細胞)に多く発現する4つの転写因子(山中因子)を体細胞に発現させると、体細胞が初期化(リプ