大阪府警が、養母殺害の疑いで逮捕し留置中の容疑者の自殺を防げなかった。しかも、遺書があることを知りながら隠蔽(いんぺい)し、虚偽説明を繰り返していた。 国民の信頼を裏切る行為だ。何が起きたのか、再発防止に向けて徹底的に検証する必要がある。 事件の発端は昨年7月、養母が大阪府高槻市の自宅で不審死しているのが見つかったことだ。 府警は1年後の今夏、殺人容疑などで容疑者を逮捕し、府警福島署に留置していたが、今月1日に自殺を図り、病院で死亡した。 直前の先月30日、「先に逝く」「もう会えない」などと自殺をほのめかす言葉が記された便箋を署員が見つけて、署長にも報告していた。 にもかかわらず、見回りをより強化する対象としていなかったのはなぜか。疑問が残る。 容疑者は取り調べでは黙秘していたという。自殺によって事件の真相究明は極めて困難になった。 さらに問題なのは、府警本部の対応だ。容疑者の自殺を巡って