マイナンバーやマイナカードを巡る国民の不安に向き合い、混乱を招いた責任の所在を明確にしなければならない。 政府の個人情報保護委員会がデジタル庁を立ち入り検査する。国の給付金などを受け取る口座が別人のマイナンバーに登録されていた問題を重く見て、制度の運用が適切だったかを確認する。行政指導も視野に入れている。 ほかにも、マイナカードで他人の住民票が発行されたり、本人のものでない健康保険証がマイナンバーにひも付けられたりするトラブルが後を絶たない。 システム開発会社や健康保険組合などのミスだが、制度を安定的に運用する責務を負うのはデジ庁だ。リスク情報を共有する体制や、地方自治体との連携に問題はなかったか。委員会はデジ庁の組織のあり方まで踏み込んで原因を究明し、改善を促してもらいたい。 特に検証が求められるのは、河野太郎デジタル相がトップダウンでスケジュールを決め、マイナカードの使途拡大を急ぐ姿勢