熱戦が続くサッカーの女子ワールドカップ(W杯)は、スポーツ界における男女格差の是正という点でも注目を集めている。 賞金総額は、2019年の前回大会の4倍近い1億1000万ドル(約154億円)に引き上げられた。だが、昨年の男子W杯の4分の1に過ぎず、国際サッカー連盟(FIFA)は27年の次回大会で男女同額を目指すという。 労働組合にあたる国際プロサッカー選手会(FIFPRO)が果たしてきた役割は大きい。賞金や宿泊先など男女代表選手の待遇の違いを調査し、FIFAに改善を要望した。 一方、賞金の原資となるテレビ放送権料が高騰し、各国でFIFAとの交渉が進まなかった。日本でNHKの放送が決まったのは開幕1週間前のことだ。格差の是正にはビジネス界の理解と協力も求められる。 女子サッカーが国際的に広まり始めたのは1970年代からだ。米国では男女の教育機会均等を定めた法律ができ、大学などで女子のスポーツ