岸田文雄首相が、来日したフィリピンのマルコス大統領と会談し、安全保障協力の強化で合意した。注目されるのは中国の海洋進出への危機感を共有したことだ。 自衛隊による人道支援や災害救援を円滑化し、フィリピン軍との共同訓練を強化する枠組みを検討することで合意した。米国を加えた3カ国の防衛交流促進でも一致した。 マルコス氏は、日本政府が政府開発援助(ODA)とは別枠で友好国の軍に資機材を供与する制度を創設したことに期待感を表明した。経済面では、日本が官民を挙げて鉄道などのインフラ整備に6000億円を支援する。 米中対立が激化する中、両国と関係の深いフィリピンの地政学的な重要性は高まっている。連携を強めるのは当然だ。 日本は近年、防空レーダーの輸出や巡視船の供与などでフィリピンの安全保障能力の強化を後押ししてきた。昨年には東京で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の初会合が開かれた。 昨年6月に就任し