核兵器禁止条約の初の締約国会議がウィーンで、きょう始まる。 ロシアのウクライナ侵攻で核兵器使用のリスクが現実味を帯びる中、「核なき世界」を目指す国々が一堂に会する意義は大きい。 核兵器の製造から使用、威嚇までを禁じる条約で、2017年に国連で採択され、昨年発効した。62カ国・地域が批准している。 米国の「核の傘」に依存する日本は、条約に加わらない姿勢を取っている。一方で、唯一の戦争被爆国として、核保有国と非保有国の「橋渡し役」を自任している。 広島選出の岸田文雄首相は「核軍縮がライフワーク」と繰り返す。核拡散防止条約(NPT)の体制強化に意欲を示し、来年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)を広島で開くことも決めた。 にもかかわらず、今回の会合へのオブザーバー参加を求める声に対しては、「今年は出席を考えていない」と応じていない。核軍縮の機運を高める好機を生かさないのは筋が通らない。 条約策定