通常国会が召集された。2017年度当初予算案審議のほか、天皇陛下の退位のご意向を踏まえた法整備や、テロ対策に伴う「共謀罪」の法制化の議論などが焦点となる。 安倍晋三首相が政権に復帰して5年目を迎え、これまでの運営が総合的に点検される場となる。 同時に、米トランプ政権の誕生や英国の欧州連合(EU)離脱方針など、国際環境が大きく変わる中での国会だ。変化に機敏に対応した政策論争を与野党に求めたい。 首相の施政方針演説は、トランプ氏を強く意識した内容となった。 日米同盟が外交、安全保障の基軸であることは「不変の原則」だと冒頭部から強調し、近く行う見通しの首脳会談について「同盟の絆をさらに強化する」と抱負を述べた。 トランプ氏が離脱方針を示す環太平洋パートナーシップ協定(TPP)についても「今後の経済連携の礎だ」と指摘した。新政権の動向が安倍内閣にとっても最大の不確定要因になるという認識の表れだろう