『日本の難点』を書いた宮台真司氏(社会学者、評論家、首都大学東京教授)に聞く(1) - 09/06/04 | 09:00 社会学の先端の成果を踏まえた硬派の「現代を知り、考える書」が広く読まれている。「社会のデタラメさを自覚したうえで、現実にコミットメント(深い関わり)せよ」と説く、その急所(クリティカルポイント)中の急所を聞いた。 ――売れ行き好調の理由を自己診断してください。 広告戦略が功を奏しているのは間違いないが、ニーズにマッチしているのだろう。 自分自身の置かれている逆境を理解することに対する関心が高まっている。娯楽や暇つぶしにしかならないものは横において、なぜいま自分たちはこういう状況にあるのか、を知りたい。それは大学の、あるいは私塾の学生をみてもそう思える。 確かに勉強ブームの一環といえるが、昔のように、お勉強自体が好きなので知識で楽しく遊ぼう、というのではない。むし