しかし、見方を変えれば携帯電話のカメラが進歩し、補助的な使い方から思い出を記録する、ライフスタイルを演出する重要なツールになったうえ、ユーザーが以前よりもカジュアルに大量の写真を撮影するようになったことで、デバイスそのものに写真の自動分類や顔識別機能を求めるようになった……とも言えるだろう。 写真分類だけならば、“たまたま今回搭載された”と言えるだろうが、上記のような視点でiOS 10を俯瞰(ふかん)するとiPhone自身がもたらした時代の変化に合わせ、iOSの設計や思想が古くなりつつあった部分を再調整、再設計して作り直したという印象を持った。 メッセンジャーの改良も、さまざまなメッセージ交換アプリが持つ機能を取り入れただけとも見える一方、スマートフォンの普及によってアニメーションスタンプなど、リッチなメッセージ交換を誰もが使うようになり、結果的にメッセンジャーに取り込まれたとも言える。