高校を一年留年しているので、進学が決まって上京してきたのが20歳になる年の春。 あの頃は何もかもが嫌だった。家も、街も、家族も、交友関係も。 何を学びたいわけでもなく、何になりたいわけでもなく。ただ「ここにいたくない」という思いだけで乗り越えた受験勉強。 下町の1Kアパートでひとり目が覚めた最初の朝、はじめて「ああ、息ができるってこういうことなんだ」と思いました。 あれからもう10年。 思えばいろいろあったような気もするし、なんにもなかったような気もします。 東京で一人暮らしをするにあたって、最初に心に誓ったことは、できるだけ人と関わらないように生きることでした。 だから友達もほとんどできなかったし、バイトもろくにしなかった。 社会人になって仕事を選ぶときも、なるべく人と接さずに済むことを第一条件にしてきました。 こうして人を避け続けてきた今しみじみ思うのは、人生はソロプレイ縛りだとできる