小保方捏造問題でマスメディアの質問に答えたほとんどの科学者が問題にしたのは論文の「再現性」だった。後々詳しく議論するつもりだが、「再現性」、すなわち第3者とのデータの共有こそが、ガリレオ以来科学の正当性を保証する唯一の基盤になってきた。科学者が小保方捏造問題を語る時、「再現性(=科学の正当性)」の欠如を捏造問題を読み解く鍵として持ち出すのは何の不思議もない。しかし、私はあえて問いたい。このとき一般の人に向けて科学論文の「再現性」は自明のことだと語っていた研究者のいったい何人が科学論文の再現性を信じていたのだろうか? 多くの研究者が論文の再現性一般を疑っている。例えば私の付き合ってきた国内外の研究者の中には、論文の再現性を最初から信じない人もいる。面白い論文が話題になると、「あの研究室のデータは信用できない」などと簡単に口にする。ただ間違ってはいけない。この言葉はその研究室で捏造が横行してい
![捏造の構造分析: 3捏造を促す背景・再現性(西川伸一) - 個人 - Yahoo!ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/96d9fb99a7166aff70a791bf5e5bca4e2c7ce4b1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnewsbyl-pctr.c.yimg.jp%2Fr%2Fiwiz-yn%2Frpr%2Fnishikawashinichi%2Fprofile-1442310733.jpeg%3Fw%3D200%26h%3D200%26up%3D1)