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ブックマーク / blog.tatsuru.com (6)

  • 最低賃金制の廃止について (内田樹の研究室)

    維新の会が選挙公約として「最低賃金制の廃止」を打ち出し、波紋を呼んでいる。 公約発表時点では、私の知る限りどの新聞もこの公約について主題的に検討しなかった。 無視したのである。 その後、ネット上で反対論が噴出して、それを承けてはじめて報道するに至った。 この問題についてのマスメディアの無関心と危機感の希薄さが気になる。 これまで繰り返し書いているとおり、現在日のエスタブリッシュメントは政官財メディアを挙げて「若年労働者の雇用条件の切り下げ」をめざしている。 その理由は何度も書いてきた。 「日中国化」である。 大飯原発再稼働のときの財界の主張をご記憶だろう。 日にはもう生産拠点を置き続けることはできない。 その理由として指摘されたのが、人件費が高い、法人税率が高い、公害規制がきびしい、電力料金をふくむ生産コストが高い、という点である。 ここで原発を止めて火力に切り替えるなら、もう

    phallusia
    phallusia 2012/12/02
    高知とかは大学生以上でも時給800円以上のバイト先は本当に物凄く少なくて、700円以下がザラだったり、そういう絶望を一度見てしまうと、なんかもうね…脊髄反射のレベルで反対せざるを得ないのよ…
  • 教育のコストは誰が負担するのか? - 内田樹の研究室

    増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。 もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労働賃金(返済義務あり)とか、いいのがとっさに思いつかないけど、現実を的確に解釈しかつ人口に膾炙するキャッチーな概念をこういうときにこそ考案するのが人文学の仕事なのではなかろうか。マジで。 すくなくとも現状の奨学金は奨学金ではなく貸学金と呼ぶべきだよな。 貸学金:たいがくきん。うっかり借りてしまうと社会奉仕を義務づけられ単位取得が滞りしまいには退学に追い込まれてしまう、恐ろしい学生ローンのこと。 今知ったんですが「貸学金」という言葉は中国語に存在しまして、うちの留学生の王さんにきいたところを総合するとほぼ日の学生支援機構「奨学金」と同種の学生貸付制度であるようだ(99年開始だとのこと)。一方で、中国には返済不要のちゃんとした奨学金も存在する。よっぽど

    phallusia
    phallusia 2010/10/22
    あまり本文と関係ないけど、今って免除職ないんだよねー。学部だと免除の方法ってないんだよねー。本人死んでも基本連帯保証人が返済しなきゃいけないみたいだしねー。ただの借金や・・・
  • 卒論心得 - 内田樹の研究室

    ゼミの卒論中間発表が来週の火曜日と迫ってきた。 学生たちはいまごろになってパニック状態になっているようである(どこのゼミでも似たような状況らしいですけど)。 ゼミの諸君に「リマインダーメール」を送ったら、夏休み前にみんなに送った「中間発表心得」の添付ファイルが出てきた。 こういうものを書くのもこれが最後で、世の学生諸君の卒論執筆の一助となればと思い、ここに記しておきます。 内田ゼミ4年生のみなさまへ「卒論中間発表の心得」 暑いですね。ぼくも暑さと忙しさで死にそうです。 みなさんも就活やバイトやら旅行やらでたいそうお忙しい夏休みをお過ごしのことと思いますが、「卒論」というものがあることを忘れてはいけません。 卒論中間発表について、ご連絡いたしますので、熟読玩味してください。 (1) とき: (2) ところ: (3) 用意するもの:草稿、ハンドアウト (4) 草稿について:字数:6000~80

  • 私の仕事 - 内田樹の研究室

    17日の午前10時にプレスリリースを行った。 2009年度入試の英語問題に出題ミスおよび採点ミスがあったのである。 6月3日に学外の入試問題出版社から疑問が提示され、それを承けて、出題委員への問い合わせ、ミスの確認、再採点、成績一覧の書き換え、合否判定、追加合格者の決定、文科省への報告、追加合格の通知、プレスリリース・・・とこの2週間ほど入試部長として連日その作業に忙殺されていたのである。 ブログ更新がままならなかったのも当然(そのあいまに別のイベントも進行していたし)。 とりあえず、昨日までに追加合格の通知とプレスリリースが終わった。 さいわい、追加合格によってこの時点での進路変更という志願者は少数にとどまりそうである。 それでも、実際には合格していた試験に「不合格」という通知を受け取った受験生の精神的なショックについては遡ってこれを償うことができない。 深く謝罪するとともに、受験生の逸

  • 費用対効果教育 - 内田樹の研究室

    全国私立大学付属・併設中学校高等学校教育研究集会という長い名前の集まりに呼ばれて一席演じる。 教授会がある時間帯なので、ほんとうは断るべき学外バイトであるのだが、なにしろお相手が全国の中高名門校の先生方である。 大学案内をかかえて「あの〜、進路指導の先生にお会いしたいんですけど〜」と腰を低くして職員室にうかがっても、「あ、そのへんに資料だけ置いて帰っていいです」というような扱いを受けてきた身としては、「まとめて営業」できる機会というのはこちらからお鳥目を差し出しても伺いたいところである。 研究集会のテーマは「教育の不易と流行-多様化する社会における一貫教育の役割」というものである。 ちょうど『街場の教育論』が出たところなので、「学校教育は惰性の強い制度であり、社会の変化に即応すべきではない。変化しないことこそが教育の社会的機能なのである」という持論を述べる。 直前の教務委員会で来年度の学年

  • マンガ脳 - 内田樹の研究室

    大学院で「マンガ」の話をする。 日語と日の宗教の「辺境性」についてのプレゼンテーションだったのだが、いつのまにか「日人の脳」の話から、マンガの話になってしまった。 日語は「漢字とかなを混ぜて書く」言語である。 漢字は表意文字であり、かなは表音文字である。 この二つを脳は並行処理している。 アルファベットは表音文字であるから、欧米語話者はそんな面倒なことはしない。 けれども、そのせいで変わったことが起きる。 表意文字は「図像」であり、表音文字は「音声」であるから、これを記号処理する脳の部位は当然違う。 失読症というのは、脳の疾患によって文字が読めなくなる症状である。 欧米語話者は失読症になると、まったく文字が読めなくなる。 しかるに、日語話者は二種類の病態をとる。 漢字が読めなくなって、かなだけが読める症状と、かなが読めなくなって、漢字だけが読める症状である。 それから、漢字を読ん

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