新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、ワクチン接種をいかに拡大するかが目下の課題となっている。現在、多くの人々がワクチン接種を希望しており、政府もワクチンの確保、接種に向けた計画を立てており、より多くの人にワクチン接種の機会が訪れると予想される。 一方で、無視してはならないことがある。報道などでもワクチン接種が当然の前提で話が進んでいるが、国民の中にはワクチン接種を希望しない人もいるという点だ。 今後、職場や学校、施設などでの集団的なワクチン接種機会が増大する中、さまざまな事情によりワクチン接種を希望しない人に対して、非難をしたり、差別的な取り扱いなどの不利益が生じたりすることも考えられる。法的な観点からこの問題を検討してみたい。 予防接種法上は「努力義務」、接種しない自由もある 前提として、予防接種法上、新型コロナウイルスワクチンの接種は「努力義務」とされている。つまり接種が法律によっ