東京・新橋の「やきとんユカちゃん」を経営する藤嶋由香さんは、コロナ禍の苦しい状況でも客を断ることがあった。藤嶋さんは「店を本当に愛してくれる少数のファンさえいれば、多くのお客様を集める必要はない。ファンがついている店は不況に強い」という――。 私は東京の新橋で「やきとんユカちゃん」というもつ焼き居酒屋を営んでいます。 2020年3月より、新型コロナウィルスの対策として、「3密」の発生する業態のお店が政府により営業自粛を要請されたのは、ご存じの通りです。 そのときに、私たち居酒屋は、「倒産して死ぬか? コロナで死ぬか?」という究極の選択を迫られていました。 コロナの影響で、あれほどサラリーマンやOLで溢れていた新橋の街はがらりと変わりました。 店を開けていても、お客様は来ません。売上げは前年の8割減になってしまいました。でも、店を開けないことには、ゼロになってしまいます。 大家さんに家賃の支