政府は、新型コロナウイルスなど感染症流行に対応できる医師を増やすため、大学医学部の入学定員に感染症科や救急科の優先枠を創設する方針を決めた。感染流行時に中心的な役割を担う人材を育成する。27日の厚生労働省の有識者会議で案を示し、了承されれば2023年度入学者から適用する。 【写真】旧「こどもの城」に酸素ステーション設置、軽症の人を一時的に受け入れへ 感染症医は、コロナ禍や感染症の流行時に呼吸器や集中治療の担当医らと連携して患者対応にあたる。危険区域と安全区域を分ける「ゾーニング」や防護服の取り扱いの指導など、専門知識が求められる感染症対応の中心的な立場となる。 しかし、医療機関での感染症医不足は深刻で、「主たる診療科」別の感染症内科医は、42の診療科別区分で38番目となる531人にとどまる。コロナ禍で専門外の医師も感染防止策などに追われているのが現状だ。