冷やして飲む炭酸飲料として定着している「サイダー」。暑い季節に清涼感をもたらす爽やかなこのイメージは、実は日本特有のものなのです。日本のサイダーの語源は、英語で「リンゴ酒」を表すサイダー(cider)に由来します。サイダーは、フランスではシードル(cidre)となり、同様にリンゴ酒を意味します。たしかに、日本でもリンゴの発泡酒をシードルと呼んでいますね。こちらが本当の意味でのサイダーだったとは! 一方で、アメリカやカナダにおけるサイダーは、お酒ではなく「リンゴ果汁」を指します。ペンシルベニア州の州法では、アップルサイダーとは「リンゴから絞った、琥珀色、不透明、未発酵のアルコール分を全く含まないジュース」と規定されているとか。お酒か果汁かの違いはあっても、サイダーと呼ばれるものは「リンゴ」が原料となる点は共通しています。 アメリカの寒い季節に欠かせない飲みものである「ホットアップルサイダー」