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  • 女子高生は、ライトノベルを批評する(仮題) - 竹宮ゆゆこ「とらドラ!」

    ”ここにあるいっさいは、小説の一登場人物によって語られているものとみなされるべきである”(ロラン・バルト『彼自身による ロラン・バルト』) 「貴女(あなた)、櫛枝実乃梨(くしえだみのり)は好き?」 一般教室の半分くらいの広さの部室。 部屋の奥の壁面一面には天井まで届く高さの棚が並び立っている。 一冊のを手にとった女生徒は、出入り口とは反対側の窓辺で優雅に寛ぎながら読書していた黒髪長髪の女生徒にそう語りかけた。 「文子(ふみこ)お姉様、日は竹宮ゆゆこ『とらドラ!』とお見受けいたします」 貴女、と呼びかけられた女生徒は顔を上げて文子にそう応じると、探るような視線を文子へと向ける。 「そうね、沙羅(さら)。わたしは櫛枝実乃梨が好きよ。ひとえに、彼女には虚無があると思うの」 そう物憂げに宙を見る文子の理知的な眼差しに沙羅は心を奪われてしまう。 文子は端正で整った顔立ちをして

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