2015年4月29日、安倍首相は日本国総理大臣として54年ぶりに米国議会の壇上に立ち、演説を行った。54年前の池田勇人首相、58年前の祖父・岸信介首相などに続き史上4人目。上下両院合同会議として米国国会議員が一堂に会した場においては、史上初だった。 戦後70年であることも手伝い、演説前には、慰安婦問題に対する謝罪は入れるのかといった「歴史認識」に関する表現ばかりに注目が集まっていた。 しかし、当の安倍首相の口からは「強い日本への改革」、「戦後国際平和を米国と築いた自負と維持への決意」、「女性の人権が侵されない世の中の実現」、「積極的平和主義」、「日米同盟の堅牢さ」など、未来に向けた強い意志が伝わる文言が発せられ続けた。 演説の表面的な文言からだけでは読み取れない安倍首相が発信したかったメッセージとは果たして何だったのか。そのメッセージを米国政府、国会議員、メディア、民衆はどう受けとったのか