作家の中島らもさんの娘、中島さなえさん(32)が、『いちにち8ミリの。』(双葉社・1365円)で小説家デビューを果たした。父親にはずっと「書く仕事に就け」と勧められていたとか。虚構と現実を飄々(ひょうひょう)と行き来する小説世界、サービス精神にあふれた文体は、6年前に急逝したらもさんを連想させる。本人は「うーん。そのうち、似てないと気づいてもらえるでしょう」と苦笑するのだけれど。 「家業を継ぎました…って冗談では言ってますが、作風まで継いだとは思ってませんし、師匠にする気もない。そもそも『オレはロックンローラー』と言ってた人なんで」 どうしても、父娘ということが話題になる。作家としては不本意? 「いえ、ありがたいですよ。父のファンの方が私の本を読んでくださる。幸せです」 高校1年のとき、父の文庫本の解説を書いたら、編集者に連載を打診された。「書きたくない」と断った。20代のときには「